誤飲は猫にとって命を落とす可能性のある危険な事故です。
猫と暮らしていく上で日頃からの整理整頓を心がけるのは大切ですが、何が危険度が高いのか知っておくことも必要です。
今回は猫にとって特に危険な誤飲注意のモノを紹介します。
なぜ猫は誤飲をしやすいのか?
猫は誤飲をしやすい動物です。
猫の舌のザラつきは喉の奥に向かって向いているので、何かを口の奥まで入れてしまった場合、吐き出そうとしても難しい構造になっています。
猫自身が一生懸命に吐き出そうとあぐあぐしても、喉の奥に引き込まれてしまいやすく誤飲をしやすいのです。
おもちゃで夢中になって遊んでいるときなども、あまりにも楽しすぎて勢いあまってごくんと飲み込んでしまうこともあります。
小さなモノならウンチか嘔吐で出てくる
誤飲したものが小さく、腸を通れる場合はウンチとして出てきます。
誤飲したものが消化できなかった場合は、嘔吐をすることで排出します。
猫は嘔吐をしやすい動物で、鳥を丸ごと食べて消化できなかった羽や、自分の毛玉などを吐き出すようになっています。
ウンチや嘔吐で出てくるのなら良いのですが、問題なのはお腹の中で詰まってしまったときです。
お腹に異物が詰まると、どうなるの?
猫が誤飲してしまい、異物がお腹に詰まってしまうとどうなるのでしょうか?
猫が異物を飲み込む瞬間を目撃したり「何かモノがなくなっている=飲み込んだ!」…とすぐに気が付けると良いのですが、難しい場合も多いです。
- 嘔吐を何度も繰り返す
- 排便がない
この2点が見られた場合は誤飲のサインなので、すぐに病院へ連れて行くようにしましょう!
猫の誤飲は生死に直結するため、様子を見ずに病院に連れて行くことが助かるための必須条件です。
猫の誤飲事故!危険なモノを知る
猫が誤飲をして消化器管内で異物が詰まってしまった場合、対処が遅いと命を落としてしまうことがあります。
今回は飲み込んでしまうと命の危険度が高いモノを紹介します。
糸や紐状のモノ
紐状の細くて長いものは猫が呑み込んでしまうと致死率が高く、取り除くのも難しいです。
糸や紐は胃や腸まで長く伸びてしまい、粘膜にこびりつき無理にひっぱると内臓を傷つけたり、腸をやぶってしまったりする危険性があります。
取り除くには開腹手術が必要で、金額も2~30万円くらいかかります。
紐がついたおもちゃ、飼い主さんのパーカーの紐など…お家の中で放置しておかないように充分注意をしてください。
ネズミのおもちゃ
本物のウサギの毛を使ったネズミのおもちゃがありますが、誤飲が多くとても危険です。
ウサギなどの小動物の毛皮は猫を興奮させますが、猫は興奮しすぎて食べてしまいます。
ネズミのおもちゃの中身は石が入っているものもあり、当然のことながら消化ができずにお腹の中で詰まってしまうことが多いです。
獣医さんの間でもネズミのおもちゃによる誤飲が多いとのことで、注意喚起がされているおもちゃです。
ジョイントマット
小さなお子様のいるご家庭では転倒事故を防ぐためにフローリングにクッション性のあるジョイントマットを敷き詰めているお家もあると思います。
防音対策にもなるので、集合住宅でも活躍してくれる便利アイテムですが、猫のいるお家では設置には注意が必要です。
猫がかじって飲み込んでしまうと高確率でお腹の中に詰まってしまいます。
レントゲンにも映らない素材なのもやっかいなので、悩んでいるうちに処置が遅れて死亡する危険があります。
ジョイントマットを齧ったりする行為が見られたらすぐに撤去したり、上にカーペットを敷くなどの対策を検討します。
大玉のトイレ砂
アイリスオーヤマから発売されている大玉のシリカゲルの猫砂は粒が大きいのでお腹の中に詰まりやすいです。
猫の指に挟まりにくく、飛び散りにくい大玉の猫砂ですが、猫によっては食べてしまう子もいるようです。
トイレの砂を口にしてしまう癖のある子は、大粒の砂の使用を避けるようにしましょう。
観葉植物
猫にとって植物は毒になるものの方が圧倒的に多いです。
観葉植物やプレゼントでもらった花束などを部屋に飾るときには、必ず猫に安全かどうかを確認する癖をつけましょう。
メジャーな観葉植物、花束でよく使われる花など、殆どが猫にとっては毒になります。
人間の食べ物
人の食べ物は猫にとって毒になるものが多いです。
玉ねぎ、チョコレート、コーヒーなどは良く知られていますが、生の海老やイカ、にんにく、アボカドなども猫にはNGです。
「人の食べ物は猫には食べさせない」ようにすれば回避できるので、人の食べ物の味を教えない、常温の食べ物はレンジや棚の中にしまう、食事を放置しない…を徹底するようにしましょう。
異変があればすぐに病院へ!
誤飲は飼い主さんが気付かない場合に起こってしまっていることがあるので「ご飯を食べないしウンチもでない」というときは要注意です。
誤飲をしたものが自力では排出することができないときは、病院で処置をしてもらう必要があります。
「ちょっと様子を見てみよう…」が命取りになる可能性もあるので、迷ったときはとにかく病院を頼りましょう!
病院では胃の中のものを吐き出させる薬を注射したり、開腹手術によって異物を取り除く処置を行います。
しかし、開腹手術は猫にも負担がかかりますし、お金も20〜30万円くらい必要になりますので、何よりも日頃から飼い主さんが注意するが何よりも重要です。
猫の誤飲についてまとめ
今回は猫が誤飲しやすいものの中でも特に危険なモノをピックアップしてまとめてみました。
猫と暮らしていると飼い主さんが気をつけなければいけないことは沢山ありますが、その中でも命に関わることは特に意識しておかなければなりません。
「うちの猫はそんなことしないし…」という油断から一生後悔することになった…という話は保護猫のボラ活動をしているとよく聞く話です。
愛猫が長く健康でいられるように、飼い主さんも猫のことを学んでいきましょう!