最近では賃貸でも猫と暮らすことのできる物件が増えてきました。猫OKの賃貸で気になるのが退去時の費用です。
ネットなどではペットを飼っていた賃貸の退去費用で100万円近くも請求されたなどという話を聞いたことがあります。
特に猫は爪とぎをする習性があるので、何も対策をしていないお家では「退去費用がいくら取られるのか…」と不安に思っている飼い主さんも多い様子。
我が家でもこの度、お引っ越しをすることになり猫2匹と2年間暮らした部屋を去ることになりました。果たしてその退去費用はいくらになったのでしょうか、
ペット可の賃貸に猫2頭と2年間
我が家は猫2匹と共に、2年と3ヵ月間を都内の賃貸物件にて暮らしていました。
入居時に敷金として家賃1ヵ月分を預けており、クリーニング代として45,000円は必ず差し引かれる契約です。入居者負担となる修繕などがなければ、残りの金額が返ってきます。
入居者負担となる修繕の対象は?
入居者が故意や過失によってつけてしまった傷や汚れは入居者負担での修繕となります。具体的にはタバコのヤニ汚れ、ペットが原因による汚損、結露放置によるカビ、物を落としてできた傷…などなど。
逆に普通に住んでいて劣化した部分については大家負担となります。日焼けの色褪せ、冷蔵庫の排熱による電気ヤケ…などなど。普通に使っていても避けられない部分は貸主負担となります。
細かくは賃貸契約時の内容によって変わってきますが、最近では東京都の出している賃貸住宅トラブル防止ガイドラインに沿っているところが多いようです。
ペット可=ペットの汚損による負担は0円にはならない
たまに勘違いをしている人がいるのですが「ペット可」の物件だからと言って、ペットが付けた傷や汚れの修繕費は免除されません。
寧ろ、ペットが原因による汚損は100%飼い主の負担となるので注意が必要です。
日頃からキレイに住むように心がけていた
我が家では猫を迎えるためにペット可の物件に引っ越してきてから「できるだけ敷金が戻るように…」とキレイに住むように気を付けていました。
- タバコは吸わない
- 水回りの掃除は週1に徹底して行う
- 床や壁に傷を付けないよう注意する
- 結露発生場所はこまめにカビチェック
通常の生活に加えて、猫2匹による汚損についてはかなり気を付けていました。
具体的には以下の3点です。
- ペット専用の脱臭機でニオイを染み付けない
- トイレを複数設置することで粗相による失敗を防ぐ
- 壁に爪とぎをさせないようにする
この3つを気を付けるだけで、物件へのダメージは各段に減らすことができます。
退去費用は3,000円だった!
我が家の退去費用の明細です。
1の「クリーニング1LDK」は室内の清掃代として45,000円を必ず負担する契約となっているため、差し引かれています。
2の「洋間壁クロス補修」についてが、入居者負担による修繕費の部分です。壁紙(クロス)に擦ったような黒い汚れあったようで、その汚れが入居者負担での修繕となりました。
ちなみに、クロスは経過年数によって入居者負担の割合が変わってきます。本来は25,000円かかる修繕費用ですが、今回の物件は築5年3ヵ月だったので25,000円のうち12%分の3,000円分が我が家の負担となりました。
猫が原因による入居者負担の修繕費は0円!
2匹と一緒に2年3ヵ月暮らしていた物件ですが、猫が原因での傷や汚れは確認されませんでした!つまりペットが原因による退去費用は0円です。
テトとピノはお家を汚すことなく、とっても良い子に暮らすことができました。
猫は家を傷めるのか?
猫と一緒に暮らす上で、お家を傷めないように暮らすにはどうしたら良いのでしょうか?我が家が実際に気を付けていたこと、具体的な対策などを簡単に紹介します!
壁で爪とぎをさせない
猫がお家を傷つける一番の原因は「爪とぎ」です。壁を爪でバリバリすることでクロスを傷つけボロボロにするだけでなく、壁の中のボードまで破損させてしまいます。
爪とぎは猫の本能によるものなので、爪とぎ自体をやめさせることはできません。適切な場所で爪を研がせるような環境を作ったり、壁で爪を研がないように保護シートでの対策が有効です。
爪とぎをさせないことに合わせて、猫の爪切りもしっかり行いましょう。爪がしっかり切られていれば、仮に壁で爪とぎされてしまったとしても、何度かの爪とぎ程度なら壁に傷を付けることを防げます。
保護シートや爪とぎ対策については、後日また別でまとめようと思います!
トイレの環境を整える
猫はとってもキレイ好きです。猫用トイレが汚かったり、トイレの数が足りないとお部屋の中で粗相を起こす可能性があります。
トイレの管理清掃をしっかり行うことに加えて、トイレの砂を猫の好みに合わせたり、トイレだけではなくお部屋全体もキレイにしておくなども重要です。
トイレの数は猫の数+1個とされています。また、部屋数やお家の大きさによってもトイレの数を増やしてあげると良いです。
猫にとって理想のトイレはどんなものかについては「猫と飼い主にとっての理想のトイレとは?」でまとめてあります。
テトは「トイレ砂がお気に入りじゃない」というのを理由に、何度か粗相をしたことがあります。もしフローリングにオシッコをしてしまった場合はすぐに拭き取り、消臭スプレーなどで対応しました。
粗相が癖になってしまった子は放置せずに、トイレトレーニングをしてあげることで改善が可能です。
詳しくは「ケージを使ったトイレトレーニング」の記事で実録をまとめてあります。成猫にも効果があるので粗相でお悩みの飼い主さんは是非試してみてください!
抜け毛やニオイは日頃から注意する
「爪とぎ」と「トイレ」が適切な場所で行えれば、猫がお家を汚損する確率は各段に低くなります。更に気を付けておくとよいのが、抜け毛とニオイについてです。
どちらも日々の積み重ねが大切です。抜け毛を減らすために定期的なブラッシングとお部屋の掃除。脱臭機や空気清浄機の設置などで、汚れやニオイが溜まらないようにすることが大切です。
不妊手術は猫のためにも必須
飼い猫には必ず不妊手術を行うようにします。特定の病気を防げるメリットもありますが、発情期による問題行動の対策になります。
特にオス猫は去勢をしないと、あちこちにオシッコをスプレーするようになってしまいます。後から手術をしても治すのが大変な子もいます。
「手術は可哀想」という気持ちは分かりますが、猫と一緒に暮らしていく上では不妊手術は必要です。
ペットで傷んだ物件を見た話
番外編となりますが、私が実際に今まで見た「ペットが原因で酷く傷んだ物件の話」を紹介します。
ペット可の物件を探していると、クリーニング前の物件見せてもらう機会が何度かありました。意外と部屋を損傷させてしまう飼い主さんが多いようです。
小型犬2頭で壁に大穴
小型犬が2頭と3年くらい暮らしていたお家を拝見しました。
飼い主さん自身があまりお掃除をしない方らしく、部屋全体があまりキレイではなかったのですが…。人が人のためにお掃除できていないということは必然的にペットの管理も甘くなるもので…。
床も壁もあちこち傷だらけだったのですが、一番酷いのが壁に掘ったような穴です。クロスを破り、中の石膏ボードまでガリガリと彫られていました。石膏ボードまで破損すると修繕費が凄そうです…。
お風呂も汚れがたくさん放置されていて、めちゃくちゃ汚かったです……。
猫の爪痕だらけの部屋
今まで我が家が暮らしていた物件ですが、前に住んでいた住人の方もあまりキレイには住めていなかったようです。
新築から3年程、住んでいた筈なのですがクロスには猫の細かい爪痕がたくさん残っていました。実は壁1面分のクロスを全張替していたそうです。
更にオシッコを飛ばした跡が壁に残っていて、オス猫で未去勢だったのでは?と推測できます。
その他、キッチンやお風呂などに「3年でこんなに汚れが落ちなくなる…?」というような汚れやカビもあったので、やはりお掃除そのものも甘かったのだと思います。
まるで土足で生活してたような部屋
1番酷かったのが壁も床も傷だらけの部屋でした。「ここに人が住んでいたの?」というくらいすんごいお部屋でした。
まず、玄関を開けた瞬間に犬を飼っていたというのが分かるくらいの獣臭がしました。そして、家中が傷と汚れだらけで、水回りは水垢がびっしり。
床は土足で暮らしていたのかと思うくらい、傷だらけで全面張り替え必須の状態。犬の抜け毛があちこににひっかかり、入居してから1度もまともに掃除してないかと思うくらいの汚さでした。
室内丸ごとリフォーム必須で、いったいいくら修繕費を払ったのか…考えるだけで恐ろしいです。
猫は家を傷めない!
猫初心者が猫2匹と2年3ヵ月、一緒に暮らした物件ではペットが原因による退去費用は0円でした!
長い間、家を貸す側からは「猫は家を傷める」として嫌われ続けています。今でも「ペットは可だけど猫は不可」という物件は珍しくありません。
猫2匹と暮らしてきて感じたのは、飼い主側がしっかりと猫のことを理解し、適切な環境を作って上げられれば可能な限り家を傷つけないで暮らすことができる…ということです。
もちろん猫の性格に左右される部分はありますが、ある程度はコントロールすることが可能です。
我が家では、爪切りすらされていなかった野良猫を保護したり、飼育放棄をされていた猫を保護したりしていますが、どの子も壁での爪とぎはしません。壁で爪とぎをする兆候が見られた段階で、適切な対策を行うためです。
一緒に暮らす猫の特質を理解し、上手にコントロールして暮らしていきましょう!