少し前からテトとピノのドライフードを『ロイヤルカナン』に変更しました。理由はピノの肝臓の数値が基準値をほんの少しだけ上回ってしまったことがキッカケです。
獣医さんやブリーダーさんに相談しり、色々と調べてみたところ『ロイヤルカナン』か『ヒルズ』のフードが安全で良さそう!と言うことで、手始めに『ロイヤルカナン』を試してみました。
今回はテトとピノのドライフードを『ロイヤルカナン』にするのに伴って、『ロイヤルカナン』の特長や評判、不穏な噂の実態、どんな会社が作っているのか……などについて調べた内容をまとめました!
『ロイヤルカナン』はどんなフード?
ロイヤルカナンのペットフードは知名度がとても高いので、犬猫の飼い主さんであれば殆どの方が知っているかと思います。動物病院などでも取り扱いがあり、ペットフード業界の大手という位置づけになります。
『ロイヤルカナン』の特長
『ロイヤルカナン』は50年以上に渡る研究と経験で、犬と猫の健康の実現をサポートするために開発・製造され続けているフードです。原材料から製造過程に至るまで、世界中の工場で同一の品質コントロールや検査が行われており、栄養価と安全性が高いフードであるといえます。
『ロイヤルカナン』は猫用だけでも100種類近くある!
2019年11月現在、『ロイヤルカナン』の猫用総合栄養食ではドライフード27種類、ウェットフード14種類が発売されています。猫の年齢、種類、飼育環境、好みや体質、健康面などに合わせて、様々なフードを選べるようになっています。
総合栄養食の他にも、健康に問題があると診断された猫用の食事療法食として51種類、プロフェッショナル用として、妊娠や授乳期の母猫用、保護猫、キャットショーにでる猫用…などもあります。
フードのサイズ
ドライフードの袋は400g、2kg、4kg、10kgの4種類が主流で、種類によっては1.5kg、3.5kg、8kgの大きさもあります。価格がそこそこするので、初めてお試しする場合は400gがおすすめです。開封後1ヶ月で与え切れる量を選ぶのがベストです。
『ロイヤルカナン』はどんな会社が作ってるの?
1968年に誕生した犬猫用のペットフードを作り続けている会社です。50年以上にもわたって世界90ヵ国に品質の高いペットフードを届け続けてきました。フランスに本社があり、そこで研究開発したフードを世界各国にある工場で製造し、世界中の犬と猫に届けています。
日本では1991年に設立した『ロイヤルカナン ジャポン合同会社』からフードの輸入・販売が行われています。
『ロイヤルカナン』を選んだ理由
『ロイヤルカナン』を選んだ理由としては、ブリーダーさんからおすすめされたのもありますが、具体的には以下の3点です。
- 自社で研究施設を持っている
- 長い歴史と実績がある
- 重い責任を担っている
長い歴史と実績がある
ロイヤルカナン社は1968年に、フランスの獣医師によって誕生しました。それ以降はM&Aを何度か行いつつ、自社での研究開発や世界的な発展を遂げながら、50年以上にもわたって世界90ヵ国の犬や猫にフードを届けてきました。
また、ロイヤルカナン社は猫の栄養学ではパイオニア的な存在でもありました。1990年代はまだキャットフード市場はウェットフードが主流でした。そんな中、ロイヤルカナンは高品質な猫用のドライフードをブリーダーや獣医師を介した方法で提供しました。
自社で研究施設を持っている
良質なキャットフードを作る上で重要なのは、猫の健康や栄養に関する研究と開発です。
ロイヤルカナン社はフランス本社にある、栄養学の専門家チームによって日々研究・開発されています。フランスとアメリカにあるペットセンターでは、飼育されている犬猫を継続的に観察、研究することで最適な製品開発につなげています。
やはり自社で専門家によって研究開発を行えるというのは、常に最新の研究結果を元に良質なフードが作られるため、フードを選ぶ理由のひとつになります。
重い責任を担っている
『ロイヤルカナン』は多くの動物病院にも置かれています。その中には一般に市販されているフードとは別に、病院で処方される療養食専用フードもあります。 動物病院でも広く活用されているフードのため、商品に対するメーカーの責任はより重いものになります。
50年以上、犬と猫のフードのみを作り続け、世界中に工場を持つようになった会社です。世界90ヵ国の犬と猫に届けられているフードでもあるため「何か起こってしまったときのリスク」は計り知れません。そういった認識を持つ会社が作るフードには一定の安心感があります。
フードの種類の選び方
ロイヤルカナンは種類が多すぎて、愛猫にはどれを選べばいいのか悩みどころです。今回は総合栄養食のドライフード全27種類を分類別に紹介します。
ロイヤルカナンのフードの種類
ロイヤルカナンの総合栄養食は大きく分けて3種類に分類されます。7種類の純血種用に調整された猫種専用フード(ブリード)、年齢やライフスタイルなどに合わせて選べる健康管理フード(ヘルス)、身体の気になる部分に配慮したメンテナンスフード(ケア)です。
猫種専用(ブリード)
アメショ、ブリティッシュ、シャム、ノルウェージャン、ラグドール、メインクーン、ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン(成猫と仔猫)、ベンガルの9種類があります。
それぞれの猫種の特長、身体の仕組み、必要な栄養素、筋肉量などに合ったフードが選べます。該当する猫種を飼っている場合はこちらがおすすめです。
健康管理フード(ヘルス)
年齢別、食欲増進系、ライフスタイルで選ぶフードは大きく分けて7種類あります。その中から年齢別を含めると全部で13種類です。
・標準的な成猫用(フィット)
適度に運動して、外にお出かけする機会のある猫に適したフードです。日本では室内飼育が多くなりましたが、海外では外で活動する子も多いので、運動量の多い猫におすすめです。
・胃腸が敏感な成猫用(センシブル)
健康な胃腸のコンディションを保ちたい成猫用フードです。便秘気味だったりちょっと消化が苦手かな?という子にもおすすめです。
・室内で生活する猫用(インドア)
室内で暮らす猫の健康維持を考えたフードです。インドアはショートヘアの成猫、ロングヘアの成猫、7歳以上の3種類あります。
・適正体重の維持が難しい猫用(ステアライズド)
食欲を満たし、満腹感を得ることで、無理なく適正体重の維持をサポートするフードです。避妊・去勢手術などで食欲が増してちょっと体重が気になりはじめた猫におすすめです。成猫、7歳以上、12歳以上の3種類あります。ウェットタイプもあります。
・食欲増進系(エクシジェント)
食欲を刺激して、美味しく食べるためのフードです。食が細い子や食欲があまりない子におすすめです。アロマはお魚、プロテインはお肉がたくさん、セイバーは粒の形が丸と三角で味わいや食感を出しています。
うちのピノは食が細めで好き嫌いが激しいのですが、食欲増進系シリーズの『プロティンエクシジェント』は好んで食べてくれます。
・仔猫用(ベビー、キトン)
離乳後~1歳未満の仔猫にはベビーかキトンを選びます。マザー&ベビーキャットは1~4ヶ月の急激に成長するための仔猫のフードです。キトンは5ヶ月~1歳までのゆるやかな成長のためのフードです。仔猫にも食べやすいウェットタイプもあります。
・高齢猫用(エイジング)
12歳以上の猫にはエイジングがおすすめ。老化による身体への影響を和らげるフードです。ウェットタイプもあります。
メンテナンスフード(ケア)
ヘアボール(毛玉が気になる)、ヘアー&スキン(皮膚や被毛)、ユリナリー(健康な尿を維持)、オーラル(歯垢・歯石が気になる)、ライト(肥満気味)の5種類があります。ヘアボール、ヘアー&スキン、ユリナリ―、ライトの4種類はウェットタイプもあります。
粒の形を調整して歯石を付きにくくしたり、カロリーをコントロールしたり、それぞれの問題に特化するよう調整されています。歯石が気になる…、毛ツヤが良くない…など、病気ではないけど気になる部分がある猫に適したフードです。
フードはローテーションして与えるべき?
数種類のフードをローテーションして与える点については問題はないそうです。ただ、お腹の状態が新しいフードに慣れようとするので、あまり短いスパンでの種類変更は控えた方がいいそうです。
複数のフードを混ぜて与えてもOK?
「うちの猫に当てはまるフードが複数あるから、混ぜて与えちゃおう!」は避けましょう。どのフードもひとつひとつ目的に合わせて調整して作られているので、混ぜてしまうことでバランスが崩れ、効果が損なわれてしまう恐れがあります。
ドライとウェット
ロイヤルカナンの総合栄養食にはドライタイプ27種類とウェットタイプ14種類があります。どちらも栄養素などに差はないので、お好みに合わせて選んでOKだそうです。水分不足気味の子にはウェットがおすすめです。飲水量によって季節で変えるのもありかも…?
発がん性物質が入っている噂はホント?
『ロイヤルカナン』について、広まっている噂で「酸化防止剤として使用されているBHAには発がん性があるのではないか」というものがあります。気になったので調べてみました。
ドライフードに酸化防止剤を使う理由
ペットフードは犬猫に必要な栄養素の関係で脂肪分が高くなっています。脂肪が酸化すると過酸化脂質に変化して、犬や猫の健康に影響を与える恐れがあります。酸化防止剤を入れることで、過酸化脂質の生成を抑えフードの品質を保つことができます。
BHAとはどんな酸化防止剤なの?
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)は脂によく溶ける性質(脂溶性)をもつ有機化合物です。バター、魚介類の加工品、化粧品などにも使用されている酸化防止剤です。
BHAの発がん性について
1981年、名古屋市立大学のラットによる研究でBHAに発がん性の可能性があるという結果が出ました。しかし、その研究結果では、発がん性が確認されたのは通常使用の数万倍の量を与えた場合であり、通常の使用量では影響がないことが確認されました。
人におけるBHAの1日の摂取量(ADI)で見た場合、ラットで発がん性のみられた用量はこのADIの約2600倍となります。「1日の摂取量(ADI)」とは、人が生涯毎日食べ続けたときに健康に影響を与えない量のことです。
BHAの発がん性の強さは、わさび1/3、ふきのとう1/2以下程度です。また、大量に摂取した場合でもBHA自体ががんを起こすのではなく、あくまで促進役でしかありません。量によっては発がん性を抑制する性質もあるという研究結果も出ています。
つまり、ドライフードに含まれる量のBHAでは発がん性は認められない、ということです。ちなみにBHAは犬や猫では2~4日で対外に排出されるため、蓄積することはありません。
韓国製になるって噂はホント?
「韓国で製造するため安全性に問題がでるのではないか?品質が劣るのではないか?」という不安な声を耳にしました。これについても気になったので調べてみました。
『ロイヤルカナン』の製造について
『ロイヤルカナン』自体はフランス本社で研究・開発されていますが、その製造工場は世界各国に存在しています。どこで製造されても、同じ規格が適用されるため、製品の特性が変わることはありません。全ての製品に対して、各製造工程で品質コントロールが行われ、最終製品は出荷前に検査されます。
『ロイヤルカナン』韓国の工場について
韓国の工場は2018年に世界で15番目の工場として作られました。日本には犬用食事療法食が輸入されているようです。韓国の工場だからといって『ロイヤルカナン』の製造について特別何かが変わるというわけではありません。
日本では近年、韓国との政治的な問題から、韓国へのイメージが悪くなっている部分もあるので「韓国の工場で作るようになったら品質が悪くなるのでは?」という懸念が極端に煽られたように思います。実際は、韓国の工場は世界各国に工場を持っているロイヤルカナン社の15番目の工場、というだけであり、製造方法や原材料が変わったり、品質が悪くなるなどということはありません。
『ロイヤルカナン』がグレインフリーを作らない理由
近年、ブームとなっているペットフードの『グレインフリー』は、本来は肉食である猫にとって穀物は不要という考えから広まりました。飼い主のニーズが高まったことによりグレインフリーのフードを発売するメーカーが増える中で、ロイヤルカナン社はグレンフリーのフードを作ることはしていません。それは何故なのでしょうか。
原材料でフードの良し悪しを決めていないから
ロイヤルカナン社に聞いた見たところ、「ロイヤルカナンで大事にしているのは栄養素、消化率、吸収率。原材料でフードの良し悪しを決めているわけではなく、穀物に含まれる栄養素を重視しているから」だそうです。
グレインフリーについての基礎知識
キャットフードに含まれる穀物は熱処理されているため、消化しにくいということはありません。また、穀物に含まれている栄養素は猫にとっても必要であり、害ではありません。グレインフリーのフードは穀物アレルギーの猫には必要です。しかし、健康な猫であればグレインフリーのフードを与え続ける必要はありません。
グレインフリーについての詳細は「キャットフードはグレインフリーであるべきなの?」でまとめてあります。グレインフリーは本当に意味があるのか、メリット・デメリットなどについて書いてありますので興味のある方は是非見てみて下さい。
『ロイヤルカナン』の気になるところ
ここまで『ロイヤルカナン』について調べたところ、イイ感じの情報ばかりになりましたが、逆に悪い部分はあるのでしょうか。実際に『ロイヤルカナン』を与えてみて感じたデメリットをまとめました。
価格が高い
これだけ品質がしっかりとしているフードなので、他の一般的なフードより価格が高めになっています。それでも海外の高級フードよりは断然お安いのですが…。
高品質で安全なプレミアムフードであるからこその価格ではありますが、「ちょっと高すぎるかな…」という飼い主さんには『ピュリナワン』もおすすめです。
種類が多すぎて戸惑う
初めて通販サイトで『ロイヤルカナン』のシリーズを見て思ったのが「種類が多すぎてわけ分からん…」でした。総合栄養食だけでも27種類と、とにかく種類が多いです。
公式サイトでは、猫種や年齢、飼育環境や気になる症状など、色々な角度から検索できるようになっているので、だいぶ分かり易かったです。公式サイトで欲しい商品を探す→通販サイトで検索、という流れだとスムーズに欲しい商品にたどり着けます。
大袋は小分けされていない
ドライフードは小袋400gと大袋2kgとあります。気になるのが小袋にはジッパーがないところと、大袋にはジッパーはありますが小分けされていないことです。やはり酸化での劣化を考えるとできるだけ密閉して保存したいところです。
我が家では400gを開けるときは100均などで買えるボトルに保存しています。ちょうど2本で400gと1食分くらい。大袋のときはジッパーをしっかり締めて、できるだけ空気が入らないように保存しています。
テトとピノに『ロイヤルカナン』を食べさせてみた!
我が家ではテトが1歳になった頃、ピノが10ヶ月頃から『ロイヤルカナン』を与えています。今回は『インドア/室内で生活する成猫用』を与えているときの様子を紹介します。
2kgと400gのパッケージです。2kgの方にはジッパーが付いています。
『インドア』の粒の形は三角です。運動量が足りない猫は消化器の働きが緩慢になる傾向があるため、消化率を高することでウンチの臭いや量を減らす効果もあります。
まずは先住猫のテトから。
「むしゃぁ…」
「この中に入ってるのは分かってるにゃ!よこすにゃ!よこすにゃ!」
「…………ないにゃ…??」
次は食べるのがちょっと下手くそなピノの番。もちゃもちゃ食べます。
テトよりグルメなピノですがロイヤルカナンは好きみたいです(テトがすごく近い…)
びゅばっ!!!
お前は妹のご飯を横取りするな!!
400gはお試しにピッタリのサイズです。ジッパーがついていないので、100均一で買ったボトルで保存しています。ちょうど2本分ぴったり!
『ロイヤルカナン』まとめ
50年以上の歴史を持ち、自社で専門家による研究と開発を続け、世界各国に工場を持ち、90ヵ国以上の犬と猫に良質なフードを届け続けているロイヤルカナン社と『ロイヤルカナン』について調べました。
結論としては、『ロイヤルカナン』は数多くのキャットフードの中でも安心して与え続けることのできるフード、ではないかと思いました。
今回、調べるのにあたっては、ロイヤルカナン社への問い合わせ、ネットや書籍を参考にしたのですが、ロイヤルカナンのHPからも多くの情報を確認することができました。
ここまで自社の製品に関して、Q&Aが充実しているメーカーも珍しく、フードの製造工程や研究・品質管理などについても、写真などと共に確認できるようになっていました。ロイヤルカナン社がペットフードにかける熱意は公式HPを見ているだけでも伝わってくるので、調べているうちに我が家のテトとピノに安心して与えることができるフードだと感じました。
電話で色々とお伺いした際にも、かなりたくさん質問したにも関わらず、ひとつひとつ丁寧に答えて頂けました!日本語で何でも相談できる窓口があるのはとても安心ですね。ロイヤルカナンについて分からない部分や気になる点はがある場合は気軽に問い合わせてみることをおすすめします!