猫の飼い方

【猫の指間炎】肉球の間に炎症が!治療方法と完治するまでの経過記録

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ある日、ピノがやたらと前足をちゅぱちゅぱぐじくじ舐めていました。普通の毛づくろいとは違って、あまりにしつこく舐めているので見てみると炎症を起こしていました。

病院で診てもらったところ『指間炎』と診断されました。

猫の指間炎について、軽傷と重症のときの治療方法や治療経過などの記録をまとめています。

猫の指間炎について

猫の指間炎の症状と治療過程
指間炎とは指と指の間に起こる炎症のことです。読み方は(しかんえん)です。

小さな怪我や過度な毛繕いが原因で指の間の皮膚が炎症を起こしてしまった状態です。ストレスが溜まっていたり、退屈しのぎに自分の指をしつこく舐めすぎてしまい、皮膚がただれてしまうこともあるようです。

指間炎になると、痛みや痒みが気になって自分で舐めてしまうことで悪化してしまい、完治も遅くなってしまいます。

猫の指間炎の症状と治療過程
ピノは今までに数回ほど指間炎になっています。テトは一度も患っていない疾患なので、どうやら性格や体質でなりやすさもあるようです。

普通の毛づくろいとは明らかに異なる舐め方をするので異常はすぐに分かります。ぺろぺろ舐めるというより『しゃぶる』という感じで、じゅぱじゅぱと大きな音をさせていました。

指間炎の治療方法

指間炎の治療方法は飲み薬や塗り薬が一般的です。

炎症が酷かったり、自分で舐めて悪化してしまう場合にはエリザベスカラーを着用します。ただ、エリザベスカラーは猫にとってはストレスになるのでできれば避けたいところです。

猫の指間炎の症状と治療過程
ピノは消毒薬での治療になりました。処方されたのはAP水(中性電解水)です。コットンや綿棒に含ませて患部に塗り付けます。

何度も舐めてしまうことで唾液が付着し、そこで菌が繁殖し傷が治らなくなってしまうので定期的に菌を消毒をします。消毒は1日に2~3回行います。
猫の指間炎の症状と治療過程
コットンで先生に前足を消毒されているピノ

AP水(中性電解水)とは?

猫の指間炎の症状と治療過程
AP水(中性電解水)とは次亜塩素酸という除菌成分を含んだ液体のことです。いわゆる『次亜塩素酸水』です。

次亜塩素散水は除菌・消臭力に優れていて、目や口に入っても大丈夫です。そのため安心してペットに使うことができます。塗布直前は塩素のニオイがしますが、すぐに水に変化する性質を持っています。サラサラした液体で見た目は水とほとんど同じです。

今回は消毒液としてこちらを処方されました。何度も口にはいる可能性が高いため、舐めても体に害のないお薬を出してくれました。

取り敢えずこの薬で様子を見て、舐めてしまって悪化するようならばエリザベスカラーを検討…ということになりました。

猫の指間炎の症状と治療過程
次亜塩素酸水は目ヤニや耳掃除にも使うことができるので、余っても無駄なく使い切ることが出来ます。冷蔵庫に入れる必要はなく、開封後は3ヶ月使用可能です。

次亜塩素酸水は消毒としてだけではなく、脱臭にも効果があります。食品添加物としても利用されており、安全なためペット用品全般の消毒や脱臭にも活躍してくれます。

ペット専用の殺菌・消臭剤としてスプレータイプの商品も販売されています。興味のある方は「実際に効果があった猫の消臭対策」をチェックしてみてください。

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指間炎の治療経過記録(軽傷)

猫の指間炎の症状と治療過程
毎日2、3回ほどピノの患部に消毒液を塗る日々が始まりました。嫌がる場合などにはちゅ~るを舐めさせながらささっと行います。

せっかく薬を塗ったのに舐めてしまうと意味がないので、しばらくはできる限り舐めさせないよう注意して過ごしました。指間炎を舐めているときは「ちゅぱちゅぱぐじぐじ」と目立つ音がするので、それが聞こえたら直ぐに辞めさせるようにします。

猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始から4日目です。
治療を始めてしばらくは、赤くてぐじぐじした状態が続きました。見るからに痛がゆそう……。ピノも患部が気になるのか、ぐじぐじちゅぱちゅぱ指を舐めようとします。

猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始10日目です。
毎日せっせと薬を塗ったおかげで炎症が治まり、何やらカサブタのようなものができてます。ここで油断するとまた自分でがじがじして悪化するので注意! 念のため消毒液は塗り続けます。

猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始15日。
カサブタもなくなり、すっかり良くなりました。長引かなくて良かった!

指間炎の治療経過記録(重症)

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
指間炎が重症化してしまったときの治療記録です。

患部を見るとしこりができてしまっているのが分かります。炎症箇所を舐めすぎて舐め壊してしまった状態です。ここまで悪化してしまうと、消毒液の治療だけでは完治に時間がかかります。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程2
今回は次亜塩素酸水での消毒+抗生物質と塗り薬を処方されました。抗生物質は朝と夜に食事と一緒に服用させます。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
塗り薬は『ビクタスS MTクリーム』という動物用の皮膚疾患などに使われる薬です。今回の治療が終わっても常備薬として使えるものを処方してもらいました。毎晩、寝る前に次亜塩素酸水で消毒した患部にクリームを塗りこみます。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
そして今回はエリザベスカラーを使います。どうしても自分で傷を舐めて悪化させてしまうので、ピノの様子を見ながら必要であれば活用してみることにしました。

ネットなどで布製品のものを購入することも勧められたのですが、当時は新型コロナの影響でいつ届くか分からない状況だったので病院で出してもらいました。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始から2日目です。
薬のお陰か、昨日よりもぐじゅぐじゅ感がなくなりました。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始から3日目です。
しこりの真ん中あたりに亀裂ができています。まだ痛そうです。

どうしても自分で傷を舐めてしまうので、傷が良くなってくるまではエリザベスカラーを使うことにしました。今回は遊ぶとき、食事のとき、夜熟睡してるとき以外はなるべく付けておくようにしました。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始10日目です。
エリザベスカラーを付け忘れたときに自分で舐めてしまって悪化させてしまうこともあり、なんとか少し良くなってきた程度です。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始13日目です。
ようやくカサブタができてきました。でもまだ患部が気になるようで舐めてしまうことがあります。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始20日目です。
赤みも引いてきて、大分よくなってきました!まだしこりはあります。エリザベスカラーも殆どつけなくなりました。

重症化した猫の指間炎の症状と治療過程
治療開始25日目です。
しこりも完全になくなり、毛が生えました。ようやく完治です。

猫の指間炎についてまとめ

猫の指間炎の治療の掛かった費用と日数

 

治療費用(軽傷)

  • 診察代:700円
  • 消毒液: 500円
  • 合計: 1,200円+税

治療費用(重症)

  • 診察代:700円
  • 消毒液:500円
  • 抗生剤:700円
  • 塗り薬:2,000円
  • カラー:1,200円
  • 合計: 5,100円+税

初診の場合は診察代が初診料(1,500円)になります。診察代・初診料は病院によって変わります。

治療期間

軽傷の場合は15日程度、舐め壊すほど重症化してしまうと25日程度かかりました。指間炎を治すには早めの受診と舐めさせて傷を悪化させないようにするのが重要です。

症状が現れた場合は早めに病院に連れて行くと重症化せずに済みます。自然治癒を期待して放置すると逆に悪化させて長引かせる可能性があります。

軽傷で済んだ場合と、重症化してしまった場合だと治療費にもかなりの差がでてきます。異常を感じたらできるだけ早めの受診を心がけましょう!

再発性が高い

指をしゃぶるのを癖にしてしまうと、再発の可能性が高くなります。

ピノは性格なのか体質なのか分かりませんが、2~3回くらい指間炎を起こしています。悪化しなければ、舐めさせないように注意しつつ患部の消毒で治療しています。

テトは1度も指間炎にならないので、毛づくろいの仕方や頻度など、やはり個体差はあるのだと感じています。