ある日、ピノがやたらと前足をちゅぱちゅぱぐじくじ舐めていました。普通の毛づくろいとは違って、あまりにしつこく舐めているので見てみると… 赤くなっているし、なんだか毛が薄い。痛痒そうな感じでこれはちょっと可哀想です。数日後に予防接種を控えていたのでその時に一緒に診てもらったところ『指間炎』と診断されました。
猫の指間炎について
指と指の間に起こる炎症のことです。読み方は(しかんえん)です。 小さな怪我などや、過度な毛繕いが原因で指の間の皮膚が炎症を起こしてしまった状態のことです。ストレスが溜まっていたり、退屈しのぎに自分の指をしつこく舐めすぎてしまい、皮膚がただれてしまうこともあるようです。 指間炎になると気になって自分で舐めてしまうので、余計悪化してしまい完治も遅くなってしまいます。
ピノが執拗に指を舐めてしまう明確な原因は分かりませんでしたが、まだ我が家に来たばかりだったので環境の変化がストレスだったのかもしれません。普通の毛づくろいとは明らかに異なる舐め方をするので異常はすぐに分かります。ぺろぺろ舐めるというより『しゃぶる』という感じで、じゅぱじゅぱと大きな音をさせていました。
指間炎の治療方法
飲み薬や塗り薬が一般的です。炎症が酷く、自分で舐めて悪化してしまう場合にはエリザベスカラーを着用します。ただ、エリザベスカラーは猫にとってはストレスになるので出来れば避けたいところです。
ピノは消毒薬での治療になりました。処方されたのはAP水(中性電解水)です。コットンや綿棒に含ませて患部に塗り付けます。何度も舐めてしまうことで唾液が付着し、そこで菌が繁殖し傷が治らないので、定期的に菌を消毒をすることで傷を治していきます。これを1日に2~3回行います。肉球の間だったのでコットンよりも綿棒の方がやり易かったです。
コットンで先生に前足を消毒されているピノ
AP水(中性電解水)とは?
AP水(中性電解水)とは次亜塩素酸という除菌成分を含んだ液体のことです。除菌・消臭力に優れていて、目や口に入っても大丈夫なので安心です。サラサラした液体で見た目は水とほとんど同じです。
今回は消毒液としてこちらを処方されました。何度も口にはいる可能性が高いため、舐めても体に害のないお薬を出してくれました。取り敢えずこの薬で様子を見て、舐めてしまって悪化するようならばエリザベスカラーを検討…ということになりました。
AP水は目ヤニや耳掃除にも使うことができるので、余っても無駄なく使い切ることが出来ます。冷蔵庫に入れる必要はなく、開封後は3ヶ月使用可能です。
指間炎の治療経過記録
毎日2、3回ほどピノの患部に薬を塗る日々が始まりました。嫌がる場合などにはちゅ~るを舐めさせながらささっと行います。 折角、薬を塗ったのに舐めてしまうと意味がないので、しばらくは出来る限り舐めさせないよう注意して過ごしました。指間炎を舐めているときは「ちゅぱちゅぱぐじぐじ」と目立つ音がするので、それが聞こえたら直ぐに辞めさせるようにします。
治療開始から4日目。
治療を始めてしばらくは、赤くてぐじぐじした状態が続きました。痛痒そうで可哀そう……。本人も気になるのか、ぐじぐじちゅぱちゅぱ指を舐めようとします。
治療開始10日目。
毎日せっせと薬を塗ったおかげで炎症が治まり、何やらカサブタのようなものが出来てます。ここで油断するとまた自分でがじがじして悪化するので注意! 念のため薬は塗り続けます。
治療開始20日。
カサブタもなくなり、すっかり良くなりました。長引かなくて良かった!
猫の指間炎についてまとめ
治療費用
- 診察代:700円
- 薬代: 500円
- 合計: 1,200円+税
初診の場合は診察代が初診料(1,500円)になります。診察代・初診料は病院によって変わります。
治療期間
今回は20日程度で完治することができました。
指間炎を治すには早めの受診と舐めさせて傷を悪化させないようにするのが重要です。症状が現れた場合は早めに病院に連れて行くと重症化せずに済みます。自然治癒を期待して放置すると逆に悪化させて長引かせる可能性があるので、面倒でも病院でお薬を貰うと安心です。
再発性が高い
指をしゃぶるのを癖にしてしまうと、再発の可能性が高くなります。ピノもこの後、2回ほど指間炎を起こしました。避妊手術の時に発覚してその際に投与された抗生物質で完治したり、今回と同じ治療方法で完治させています。