ある日、テトの耳垢の状態がいつもと違うことに気付きました。
仔猫の頃のテトは耳垢が多いタイプだったのですが、その日は特におかしくてテトも耳を痒がっている様子でした。そこで、すぐに近くの動物病院で検査を受けると『耳ダニ』と診断されました。
猫の疾患としてはそんなに珍しくない『耳ダニ』は治療方法も簡単です。
今回は耳ダニの特徴と簡単な治療・予防方法、そしてテトが実際に体験したダメ獣医師の治療についての体験記録をまとめました。
猫の耳ダニの原因はミミヒゼンダニ
引用:梨の木どうぶつ病院(https://www.nashinoki-vet.com/)様
耳ダニの原因は、猫のや犬などの動物の耳の中に寄生する『ミミヒゼンダニ』への感染です。このダニの大きさは0.3~0.4㎜ととても小さいです。
皮膚の表面に住み着き、耳垢や分泌物を餌としてます。皮膚の表面をかじったりするので強い痒みが発生します。
感染経路は、感染している他の猫や犬との接触・耳ダニがついているブラシや毛布の使用・飼い主が外から持ってくる…などです。そのため完全室内飼育している猫でも耳ダニに感染してしまう可能性があります。
耳ダニの症状
普段から耳垢の多いタイプのテトでしたが、耳ダニに感染すると明らかに様子が異なりました。
- 耳垢がいつもより多くて、黒い
- 耳を痒がって掻く(テトの場合は片耳だけ)
- 耳を嗅ぐと生臭い臭いがする
猫の耳は正常時はほぼ無臭のため、何かしら臭いが出ている場合は異常のサインです。 すぐに獣医師に診断してもらいましょう。
テトは仔猫の頃は耳垢が多く、1週間くらい掃除しないと画像のような状態になっていました。
耳ダニに感染した時は、この耳垢が黒っぽくなり、耳垢の量も更に増えて、変な臭いがしていました。
猫の耳ダニ治療
耳ダニの治療は、『レボリューション』の投薬が一般的です。軽度なものなら1度の投薬のみですぐに治ります。
自宅で飼い主さんが投薬することのできるお薬のため、ノミ・ダニ予防のために毎月定期的に投薬している飼い主さんもいます。
画像は『レボリューション』と『マイフリーガード』
レボリューションとレボリューションプラス
『レボリューション』は耳ダニだけでなく、ノミ・猫回虫(寄生虫)・フィラリア予防に効果があるお薬です。『レボリューションプラス』はマダニと鈎虫にも効果があります。
持続期間は1ヶ月程で、価格は1本1,200~1,400円前後です。猫の体重と病院によってお薬の値段が変わります。
獣医師さん処方してもらう必要のある薬です
レボリューションは『動物用医薬品 要指示』商品のため獣医師からの指示の元、適切に処方してもらう薬です。
ペット医薬品サイトなどで個人輸入も可能ですが、中国などの海外経由品は偽物のリスクもあります。獣医さん曰く「内容物が本物かどうかは調べようがないので、100%大丈夫です!とは言えないです」と教えてくれました。
投薬の仕方
耳ダニが発生している場合は、投薬の前に耳の中を軽く掃除してあげます。綿棒は使わずに、ぬるま湯で湿らせたコットンなどで拭ってあげます。
耳の掃除が終わったら、猫の首裏部分の毛をかき分けて、容器が空っぽになるまで皮膚に直接投薬します。
『レボリューションプラス』を実際使用してみたレポートは「猫の命を守る!夏のフェラリアとノミ・ダニ予防」で写真付きで詳しくまとめています。
多頭飼育の場合は一斉治療
耳ダニは猫の耳の中でのみ生きることができます。多頭飼育の場合は他の猫にも感染している可能性が高いので、治療をする場合は飼っている猫全頭に対して一斉に行います。
猫の耳ダニ治療の費用と治療期間
耳ダニの治療費用
- 診察代:700円
- お薬代:1,300円
- 合計: 1,900円+税
テトは体重が2.5~5kgだったので、お薬代は1,300円でした。診察代・初診料は病院によって異なります。
耳ダニの治療期間
レボリューションを投薬したら治療自体はおしまいです。投薬後、ほんの数日で黒い耳垢もでなくなり通常の状態に戻りました。
ダメな獣医さんに当たってしまった話
テトが耳ダニに感染したのは、我が家にやってきてすぐのことでした。
まだかかりつけの獣医さんが決まっていなかったので、取り合えず家から徒歩5分にある動物病院に連れて行いきました。
耳垢を綿棒で掬い取り、プレパラートに乗せて顕微鏡へ。そうすると、ダニがうじゃうじゃ動いてる姿を見ることができました。
猫にも飼い主にも負担がかかる治療方法
家から近いという理由で選んだ最初の獣医さんでしたが、耳ダニの治療方法が一般的ではありませんでした。
透明の油のような透明のお薬を耳の中に塗布されました。お薬の内容を確認したところ病院のオリジナル精製薬だそうです。
耳ダニの卵には、そのオリジナルの薬が効きにくいため、卵が孵化する1週間後くらいにまた薬を塗りに来るようにと言われました。完全に耳ダニがいなくなるまで1ヶ月程は通院するそうです。
ちなみに料金は初診料も含めて2,000円程でした。週1で1ヶ月通院となると完治するまでにトータルで5,000~6,500円くらいは掛かることになります。
お財布にも猫にも負担のかかる治療方法
猫は環境の変化によるストレスに弱い生き物です。特に病院は怖い場所…できることなら通院回数は減らしたいところです。
テトくらいの耳ダニでは、本来1ヵ月の通院は必要ありません。また、通院回数が増えるということは、それだけお金も必要になります。
実際にテトの耳ダニは、その後はそこの病院には通院せずに、他の獣医さんに処方してもらった『レボリューション』を1度で完治できました。
ペットや飼い主に負担をかける治療方法を行う獣医師は、良い獣医師なのでしょうか…?
「飼い主側も最低限の知識をつけなければ…」と学んだ出来事でした。
安価な市販薬は使わない
ホームセンターなども猫のノミダニ治療薬を購入することができます。
一般販売されている安価なノミダニ対策商品は殆ど効果がなかったり、猫の健康に影響が出た話もあるのでオススメしません。ノミダニの市販薬は避けるように注意喚起している獣医師もいます。
2018年10月に市販のノミダニ駆除薬を使って健康被害が出たと飼い主さんが訴えて話題になった内容が『虫ケア用品で「猫に異変」ツイートが拡散』でまとめられていますので興味のある方は参考程度に是非。
『耳ダニ』の治療や予防は獣医師の診察を受けて、処方されたお薬を使いましょう!
猫の『耳ダニ』についてまとめ
耳を頻繁に痒がっていたら『耳ダニ』のサインです。耳垢の量や色、ニオイをチェックしていつもと様子が違うなら、早めに病院に行きましょう!
『耳ダニ』は早めに治療すればすぐに治る病気です。放置していても良くはなりません。
お薬は市販の安価な商品は使用せず、必ず獣医師の診断の下で処方されるおお薬を使うようにしてください。それが一番の治療への近道です。