今回は短毛種用の猫ブラシについて、選び方の基礎知識、ブラシの種類と効果を紹介します。
実は、我が家でも最初に猫用ブラシを買おうとしたときに、種類が多くてどれを選べばいいのか分かりませんでした。調べていくうちに「短毛種用に適したブラシがあること」「ブラッシングにも順序があること」「得られる効果によってブラシを何種類か持っておくこと」を学ぶことができました。
せっかく調べたことなので「同じように困っている飼い主さんに共有できれば!」と思い記事にすることにしました!これから猫を飼う方、猫用ブラシのことをあまり知らずに何となく選んでいた飼い主さんは是非チェックしてみてください!
ちなみに、個人的な体験からベンガル猫におすすめしたいブラシについては『ベンガル猫に適したブラシとは?』で紹介しています。
効果別で選ぶブラシの種類
ペットショップのブラシコーナーに行くと、ズラリと色んな種類のブラシが並んでいて「一体どれを買えばいいのか…」と困り果てた経験があります。まずは、ブラシの種類によって目的があることを知ると、見え方が変わってきます。
今回はそれぞれのブラシを効果毎に、ブラッシングする順番で紹介します。短毛種用特集なので長毛種用のブラシは除外しています。
抜け毛を取り除くブラシ
最初は抜け毛やもつれを取り除くブラシです。全身をまんべんなくブラッシングする最初のお手入れです。短毛種の抜け取りブラシは主に3種類です。お好みの抜け毛ブラシを1本持っておくことをおすすめします。
ラバーブラシ
ゴムやシリコン素材で柔らかく、頭皮マッサージャーのような見た目です。短毛種の抜け毛取りに適しているブラシです。シャンプーの時にも使えて、丸洗いもOK!マッサージ効果もあるのでブラシが苦手な猫ちゃんにもおすすめです。
抜け毛がブラシに絡るので散らかりにくいです。絡まった抜け毛は流水で流してあげると簡単に取ることができます。使用毎に洗浄できるので清潔感が保てるのもポイント。
アンダーコートブラシ
刃の部分が金属で出来ていて、一見ブラシに見えないような見た目です。ザリザリとたくさん毛が取れるのですが、やり過ぎると被毛や皮膚を痛めてしまうので注意が必要です。
抜け毛が殆ど散らばらず、毛もたくさん取れます。取れた毛の処理も比較的簡単です。ダブルコートの猫ちゃんにおすすめ!
スリッカーブラシ
スリッカーブラシは長毛種に使われることが多いブラシですが、短毛種用のスリッカーブラシもあります。短毛種用は先端部分が丸くコーティングされているので肌に触れても傷つけないようになっています。
毛にツヤを出すブラシ
毛並みを整えてツヤとまとまりを出すためのブラシです。毛がツヤツヤになるので、抜け毛ブラシと併せて1本持っておくと良いブラシです。
獣毛ブラシ
ヘアブラシのような外見をしています。毛には豚や猪の毛などが使われていて硬いです。毛をツヤツヤにするのに適しています。更に、獣毛は油分を含んでいるので、静電気が起きにくく使いやすいのが特長です。
テトもピノも獣毛ブラシが一番大好きで、気持ちよさそうにブラッシングされています。特に頭や首回りが好きなようです。
毛を整えるブラシ
被毛の奥から毛並みを整える仕上げ用のブラシです。細かい部分を整えたりするのにも使います。短毛種には用意しなくても大丈夫です。我が家でも一応持っていますが、ブラッシングとしてはあまり使わないです。
コームブラシ
金属のコーム状のブラシです。毛並みを整えるのに使います。コームの目が粗いほうで全身をとかした後に、細かい方で仕上げをします。これで頭や首筋を撫でてあげると気持ちよさそうにしています。
被毛の種類によって使用NGなブラシ
短毛種に使うブラシの種類と役割が分かったところで、気をつけるのは「同じ短毛種でも被毛の種類によっては使えないブラシがある」ことです。まずは短毛種の被毛の種類と違いを簡単に解説します。
短毛種の被毛の種類
短毛種の猫には毛の生え方によってダブルコートとシングルコートの2種類の被毛タイプがあります。ブラシ選びに必要なので飼い猫がどちらのタイプなのか、把握しておきましょう。
シングルコート
毛が1重構造になっている被毛タイプです。長くて太いオーバーコートか、短くて細いアンダーコートのどちらかに寄った被毛が生えています。オーバーコートとアンダーコートの毛の長さは同じくらいです。換毛期がないので季節的な抜け毛が少ないです。
シングルコートの猫は…ベンガル、シャム、シンガプーラ、エジプシャンマウなど、暑い地方出身の猫に多いと言われています。
ダブルコート
長くて太い毛のオーバーコートと、短くて細い毛のアンダーコートで構成されています。オーバーコートは直射日光などから皮膚を守る役割を持っていて、アンダーコートは細くて密度が高く、保温の役割を持っています。
ダブルコートの猫は…アメリカンショートヘア、スコティッシュフォールド、マンチカン、アビシニアン、ロシアンブルー、エキゾチックショートヘア、ブリティッシュショートヘアなど、寒い地域出身の猫に多いと言われています。野良猫や保護猫に多い日本猫はダブルコートが殆どのようです。
シングルコートでは使えないブラシ
ダブルコートで使えるブラシでもシングルコートでは使えないブラシがあるので、購入する際は注意してください。商品の裏側に注意書きがありますが、知識がないと見落としてしまうことがあります。
代表的なのが『アンダーコートブラシ』です。我が家も最初に短毛種用の『アンダーコートブラシ』を購入したのですが、後にシングルコートのベンガル猫には使えないことが判明しました。
ブラシの大きさはどれくらいが良い?
意外と使い勝手に直結するのがブラシの大きさです。猫の体に対して大きすぎると身体に沿わず使いにくいですし、小さすぎると抜け毛取りの時には大変です。
ラバーブラシなどの抜け毛を取り除くブラシは小さすぎると、たくさんクシクシする必要があるのである程度の大きさがあると使いやすいです。逆に獣毛ブラシなどは、細かい部分もブラッシングするので大きすぎると扱いが難しくなります。
猫用ブラシは種類毎に色々な形やサイズが出ているので、飼い猫の大きさや飼い主さんの手のサイズに合ったものを選ぶようにしてください。
テトは6kg、ピノは3kgです。ブラッシングは手の小さめの女性担当ですが、抜け毛取り用はやや小さめ、獣毛ブラシは小さめのを選んだらとても使いやすかったです。
短毛種のブラシの選び方まとめ
猫用ブラシはブラッシングの順番とそれぞれのブラシの効果を参考に、愛猫の被毛に合わせて選びましょう。抜け毛用ブラシは猫によって好みがあるようなので、いくつか種類を試してみるのも良いと思います。
ブラッシングは飼い主と猫とのコミュニケーションやマッサージの時間でもあります。なので、その子が気に入るブラシを見つけてあげてください。
個人的には、抜け毛用ブラシ(ラバー、アンダーコート、スリッカー)を1本、ツヤ出し用のブラシ(獣毛)を1本、を用意しておけば充分だと思います。その後、必要性を感じたら増やしていくのがおすすめです。
ブラシを壊されないように注意!
最後になりましたが、猫用ブラシを購入して注意することがあります。それは猫にとってはブラシもおもちゃに見える……ということ。
ラバーブラシは噛み心地が気持ちよかったり、獣毛ブラシは動物の毛のにおいが気になったり、その他のブラシも持ち手の部分を噛み噛みしたくなってしまったり……というのがあるようです。
我が家の初代ラバーブラシはテトが噛みまくってボロボロに…。今回、記事を書くのでブラシの写真を撮ったのですが、テトが遊びたがって仕方ありませんでした。ブラッシングの後はブラシを必ずしまうように気を付けてください!