我が家では現在テトとピノの2頭のベンガル猫と暮らしています。元々は単独飼育でも充分だと思っていたのですが、多頭飼育のメリットをよく知る同居人の希望もあり、4ヶ月差でピノを迎えることとなりました。今では猫にとっても飼い主にとってもメリットの多い多頭飼育にして良かったと思っています。
というわけで、今回は猫の多頭飼育について、実際に経験して感じたことをまとめました。猫の目線と人間の目線から見た時の多頭飼育のメリットとデメリットをご紹介します。「ベンガル猫は活発だから特別大変かどうか」についてもまとめたので多頭飼育を検討されている方の参考になりますように!
猫の多頭飼育メリット
社会性を学べる
猫にとって社会性を学ぶことははとても重要です。特に仔猫のうちに学んだことはその後の性格や行動に大きな影響を与えます。「爪で引っ掻いり強く噛んだら痛いから手加減しなければならない」「自分の立ち位置や周りとの力関係を理解する」など、人と一緒に暮らす上で大切なことを沢山学びます。飼い主が教えることも出来なくはないのですが、やはり猫同士で学ぶ事と比べると手間もかかり、教えてあげられることにも限界があります。
一緒に遊べる
飼い主とオモチャで遊ぶのも楽しそうではあるのですが、やはり猫同士にしか出来ない遊びもあります。追いかけっこをしたりじゃれあって喧嘩ごっこをするのは飼い主では真似できない遊びです。テトのみを飼育していた頃は、良く追いかけっこに誘われたのですが(飛び蹴りが合図)四つん這いになって追いかけ回すのにもなかなか大変ですし、猫同士みたいには行きませんでした。
お留守番も寂しくない
猫だけでお留守番をする時に、テト1匹だけだとやはり寂しがっているように見えました。帰宅すると「ニャーニャー」鳴きながら出迎えに来て、しばらくは引っ付いて甘えてきたりしていました。ピノが来てからは一緒にお出迎えはしてくれますが、過剰に鳴いたり引っ付いて来たりという行為が減ったので、お留守番が寂しくなくなったのだと感じています。
大切な相棒になってくれる
お互いがお互いの大切な存在になります。いつも一緒に遊んで、並んでご飯を食べて、同じ布団でくっついて寝る…。そんな毎日を送っているうちに、猫同士も掛け替えのないパートナーとなります。テトとピノも初対面の時は喧嘩をしまくっていましたが、今では本当の兄妹のように仲良しです。
猫の多頭飼育デメリット
相性が良くないとストレス
何よりも一番重要なのが猫同士の相性です。相性が悪かったり、多頭飼育に向かない性格の子の場合は強いストレスを感じてしまいます。猫はストレスに弱く、時には死にも繋がる恐れもあることから楽観視できません。一緒に暮らしている猫を同タイミングで引き取ると悩まなくて済む問題です。
FIP(猫伝染性腹膜炎)の発症率が上がると言われている
FIPとは体内でウィルスが突然変異することで起こる不治の病です。発症率は1~5%ですが、現在に至るまで明確な原因は判明していません。ストレスが大きな要因であるのでは?との見解が多く見られますが、最近では遺伝的な要素も関係している可能性があるという研究報告も出ました。相性が悪い猫同士の多頭飼育によるストレスが原因で発症率が高い可能性が指摘されています。
猫の多頭飼育メリット(人間編)
猫同士で遊んでくれる
仕事などで忙しいと、どうしても猫と遊ぶ時間が限られて来てしまいます。毎日10分でも猫じゃらしで遊んであげると良いのですが、これを継続するのはなかなか難しいです。多頭飼育の場合は猫同士が追いかけっこをしたり、じゃれ合ったりして遊んでくれるのでその分だけ飼い主の負担が軽減されます。
性格の違いを感じられる
同じ猫種だとしても人間と同じように猫の性格には個体差があります。テトとピノで言えば、テトは甘えん坊でお喋りを沢山します。逆にピノはテトよりも声が小さくお喋りも少なめで、甘え方も違います。猫の個性を感じることはとても楽しく、猫の成長とともに新しい発見が増えていきます。
可愛い姿が沢山見られる
猫同士が寄り添って寝ていたり、お互いを毛繕いしたりする姿は多頭飼育でなければ見る事が出来ません。猫同士だからこそ見せる表情や仕草は本当に可愛くて癒しになります。2匹だからこそ起こるハプニングなど、大変に思うこともありますが、楽しさの方が勝ります。
幸せが2倍以上になる
単独飼育から多頭飼育になってから、感じる幸福度が明らかに増しました。テトだけの時ももちろん幸せなのですが、ピノが加わったことにより猫同士でしか見ることのできない姿や新しい発見などが沢山ありました。最初は単独飼育でも良いと思っていましたが、今では多頭飼育にして本当に良かったと思っています。
猫の多頭飼育デメリット(人間編)
出費が増える
多頭飼育になって一番感じているデメリットです。単純に食費、消耗品、医療費(ワクチンや去勢避妊など)が×頭数分になります。消耗品は工夫次第である程度の節約ができますか、毎日の食費や突発的な医療費など、ある程度の猫に回せる資金力が必要になります。
トイレの数が増える
単独飼育の場合は1つでも良かったトイレですが、多頭飼育の場合の理想的なトイレ数は頭数+1つと言われています。トイレが増えることによるデメリットは金銭面よりも置き場所の確保です。猫が落ち着いて使える場所という条件を考えると意外と悩ましい問題です。
お世話の手間が増える
1匹が2匹に増える訳なので、当然お世話の手間も増えます。遊びに関しては楽になりましたが、その代わりにご飯やトイレ掃除、ブラッシングや爪切りなどのお手入れが2倍になります。とは言え、ご飯やお手入れは猫との幸せなコミュニケーションの時間なので2倍になってもそんなに苦労は感じていません。
猫によっては甘えん坊レベルが下がる
これについてはテトに現れた現象です。単独飼育の時にはかなり甘えん坊で人が寝てると必ずお腹の上に乗ってきたり、日中も常に人の側に居たがっていました。しかし、ピノが来てから意識が飼い主だけでなくピノにも向けられたようで、ちょっとだけ自立してくれました。夜寝る時はピノとくっついて飼い主の足元で寝るようになり、日中もピノと一緒に日向ぼっこしたりお昼寝したりするようになりました。
もちろん今でも甘えん坊になことには変わりはありませんが、人によっては寂しく感じてしまうかもしれません。個人的には寝る時は重くて大変だったし、日中は仕事の邪魔をしてくるで少し手を焼いていたため助かりました。
単独飼育から多頭飼育にしてみた感想
多頭飼育にしてとても良かったと思っています。上に挙げたようなデメリットも確かにありますが、それ以上にメリットの方が何倍も大きく感じています。
また、甘えん坊のテトは可愛かったのですが、ちょっと飼い主に依存しすぎているようにも感じて心配でした。しかし、ピノの登場により、今まで飼い主だけに向けられていたテトの視点がピノへも向いてくれたことは、テトにとっても良い事だったと思っています。ピノを一生懸命毛繕いしてるテトを見ると、心の成長も感じることが出来て安心しました。
ベンガル猫の多頭飼育って大変なの?
活発で運動が大好きなベンガル猫ですが、多頭飼育になるとより一層大変になるのでは?と心配になる方もいると思います。結論から言うと「困るほど大変とは感じていない」です。毎日の基本的なお世話から、追いかけっこをして走り回ったり、遊びをねだられたり、好奇心旺盛が故にイタズラもしたりして手のかかる部分は当然ありますが「飼わなければ良かった!」と思う程のことありません。
これについては、2頭とも信頼のできるブリーダーさんのところから迎え入れたことが大きいと感じています。性格も良く、噛み癖などの問題行動もなく、飼い主にも懐き、猫同士も仲良く暮らせることができています。
ただし、フルタイムの仕事をしながらの一人暮らしで2頭の面倒をしっかり見るのは厳しいだろうな……と感じることはあります。また、何かしら問題行動が起きてしまったり病気になってしまった時なども、仕事をしながら一人で対処するのは難しいだろうと感じています。
猫の多頭飼育についてのまとめ
楽しいことも、大変なこともありますが、多頭飼育で重要なのは金銭的な余裕と、時間的なゆとりだと感じました。お金がなければきちんと飼うことができないですし、時間がなければ面倒も見切れません。猫達を迎え入れるための充分な準備をした上で、愛情をたくさん与えてあげられる環境が大切なのだと思いました。